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北海道教育大学教育学部札幌校理科教育講座化学教室

物理化学研究室 講義評価


平成9年度「化学の基礎」の評価

 今年度は、とりあえず、期末試験の最後に記述式で講義についての意見・感想等(自由形式)を求める形で学生の評価を求めました。詳細なアンケート調査などは今後行っていきたいと考えています。
 受講登録者数81名の内試験受験者数は65名で、その中で試験によって50点以上の得点を得た36名 に単位を認定しました。評価してくれたのは試験受験者の約半数の33名でした。

出席回数と単位認定結果の相関関係
(講義回数計11回)
出席回数受講登録者数単位認定者数単位認定率
11回20人16人80%
10回20人15人75%
9回11人2人18%
8回5人1人20%
7回5人2人40%
6回1人0人0%
5回1人0人0%

単位認定者による授業評価(24名)

・炎色反応インパクトあり。(自然科学・女)

・実験がおもしろかった(炎色反応・過酸化水素分解に大根おろし)。地球環境問題は気になる。(特殊教育・女)

・実験が(特に炎色反応)大変おもしろかった。(特殊教育・女)

・実験があるのと取り上げた内容が日常に関連していたので、化学が身近に感じられた。内容が難しすぎて理解できなかったこともある。OHPを使ったのはよい。テストが難しい。説明しなさいは苦手。 (家政・女)

・実験がいっぱいあってよかった。(家政・女)

・難しくてよくわからなかった。(保健体育・男)

・専門的な知識も出てきて役立つ授業だった。(自然科学・男)

・高校のとき化学をとっていなかったのでとても難しかった。専門用語がよくわからなかった。(家政・女)

・私は自然科なのでわかったが、結構専門的な内容があったので他学科の人には難しかったかもしれない。(自然科学・男)

・高校のときの授業より内容がおもしろく取り組みやすい。これからも環境について考えてみたりしようと思った。(保健体育・男)

・私は化学が苦手。しかし、この授業で化学が如何に生活に密着したもであるかわかったような気がします。先生、半年間ありがとうございました。(英語・男)

・すごく板書がしっかりしていてわかりやすい授業だった。(数学・男)

・広く浅くだったけれど普通の化学と違って、生活に密着していた内容ばかりだったのでおもしろかった。テキストも読んでいておもしろくいいテキストだなと思った。(家政・女)

・OHPを使ってとてもわかりやすかった。板書も丁寧だったので集中しやすかった。しかし、丁寧すぎたために時間が足りなかったのが残念だったが、内容を理解するためにはとてもよかったと思う。(自然科学・男)

・整然とした板書や確固たる予習(・・適切な表現が見つかりません)にもとずく展開で非常にききやすかった。(悪い意味ではなく)高校時代を思い出すような授業だった。自分は、化学は苦手で、どうにも原子・分子などが理解できなかったのですが、(高校時代よりは)わかった気がします。環境問題を同時に扱うことはとてもよいことだと思います。(英語・男)

・非常にわかりやすく、おもしろい講義でした。高校時代に勉強したところと重なっていましたが、より深く理解できました。(自然科学・男)

・原子の話などは、高校と何等変わりなかった。身近な問題に関連した話はおもしろかった。(英語・男)

・授業中の実験はもう少し手際よくやった方がよい。(自然科学・男)

・化学の基礎とは言いつつ、化学の苦手な私にとってはなかなか苦労した。でも内容的には、ちょっとだけ、おもしろかったような気がする。だから、朝早い講義だったが休まず出席できたような気がする。だが、テストは難しかった。これで切れてしまったら結構つらいです・・。(英語・女)

・高校の化学とは全然違うので驚いた。時々、普段の生活と関係のある内容が出てきたので興味を持って聞けた。化学と関係がある生活の知恵みたいな話があったら聞きたかった。先生が三角フラスコをもって自己紹介したときはおもしろかった。またやってください。どうもありがとうございました。(小学美術・女)

・生活に密接した課題に取り組んでいてとても興味がもてましたが、専門的になるにつれてどんどん難しくなり、あまり良く理解できないこともあった。実験などがすごくおもしろく自分でもちょっとしてみたいと思いましたが、人数が多いのでしかたないです。実験を交えるだけでとても良くわかりました。(特殊教育・女)

・テストが難しすぎる。あと、講義において、専門用語が多すぎて高校で化学を取っていない人にはわからない。石鹸のところのRとか-COO-とか。それを覚えろと言ってしまえば、高校の授業と変わらないので、なぜそういう名称なのかとかも教えて欲しい。(K殻、L殻、M殻はなぜ、K, L, M だとか)講義自体は非常にわかりやすかったと思いますけど・・・・(中学美術・男)

・講義内容は、まさに環境と自然の化学って感じでよかったですが、あまりイメージがわかない所もあったので、もっと実験を増やして実際にみてもっと理解しやすくしてくれるとありがたかったです。石鹸のところで油が落ちるところやミセル構造を診せてくれと言っても無理でしょうけれど、実験している方が化学って気がしますよね。(小学美術・女)

不合格者による授業評価(9名)

・化学が苦手な私にとっては内容が専門的すぎて取っつきにくかった。基本的知識をあまりにも持っていなかったのでつらかった。

・高校の化学の復習はしないといいながら、復習に陥ってしまったような気がする。

・この講義の最初の何日かは出られませんでしたが、化学は好きなほうなので聞いていて楽しかったしおもしろく勉強できました。

・高校の時、化学で進級が危なくなった私だけれど、この講義をとったのはもとはといえば単位ほしさだけれども、自分なりに一生懸命出席して、ノートをとって、少しわかってきた気がしたし、相性が悪い化学とも、先生がやった実験を見たりして「おもしろいこともあるな」と思いました。でも、このテストが全然できなくて悲しいです。

・身近なことを専門的に学んで気がする。化学の基礎とはいえ難しいお話でした。

・来年、もう一度受けようかと考えています。少し、わかりにくかったので。

・難しかった。

・実験をもっとして欲しかった。試験が難しい。

・自分の身の回りにあるものを化学的に見ることができたという事で、おもしろかったと思う。

担当教官による自己評価

 本学に赴任して2年目、初めて一般教養科目を担当しました。講義は、シラバスにもあるとおり「生活のなかの化学」に重点を置いて進めましたがその点についてはおおむね評価されたようです。また、適宜、演示実験を入れながら講義をおこなったのも評価を得たようです(ちなみに、他の講義・学生実験・卒論生指導・会議などで多忙の中、このような実験入りの講義を行うのは時間的に困難を極めたことをここで告白しておきましょう)。
 肝心の「講義のわかりやすさ」でありますが、これについては評価が分かれました。評価結果を見ると、評価してくれた合格者のうちの2/3は「わかりやすかった」としていますが、何らかの形で「難しくて理解できない」とするものが1/3いました。、評価してくれた不合格者のうち8割は「難しかった」としています。
 このように評価が分かれた原因として思いつくのは(あくまで思いつき)、高等学校で学んだ化学の基礎学力の高低が講義の理解度を左右しているという事です。この講義でも原子の構造や化学結合などの話を前半で学びましたが、その部分ばかりに時間をかけてはそれなりの学力がある学生にとっては同じ話を二度聞かされることになってしまいます。どのレベルの学生に対して講義するかというのは大きな問題です。この問題は、来年度以降、学生の化学の基礎学力などを詳細に調査してから対策を考えようと思います。今年は、学生の化学に対する知識のレベルについての認識が足りなかったのかもしれません。

 上の表からもわかるように、講義への出席回数と単位認定合否結果との間には明らかに相関関係があります。「大学は自分で勉強するところであるから、講義なんか出席しなくてもよい」という意見をよく耳にしますが、この意見は少なくともこの講義に関する限り通用しません。自分で勉強しただけではわからないから「講義」しているのです。
 「試験が難しかった」という意見が複数見られましたが、これは「〜について説明せよ」という本質を問うような質問(要するに表面的な暗記的知識では答えられないよう質問)を数多くしたことによると思われます。表面的なクイズ番組的な知識を身につけることは「大学」でやることではないと思います。したがって、このような試験形式は今後もしばらくとり続けるつもりです。
 


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