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北海道教育大学教育学部札幌校理科教育講座化学教室

物理化学研究室 講義評価


平成10年度「化学の基礎」の評価

 今年度は、初回講義の時に受講動機・高等学校での理科の履修状況・受験時の理科教科選択状況・理科や化学の好き嫌いについてのアンケートを取り、最終講義の時に私の授業についての評価をしてもらうという二段階で調査を行いました。その結果、単位修得の有無とセンター試験での化学選択の有無や化学の好き嫌いと単位認定結果との間に明らかに関係があることが見えてきました。また、授業の評価をしてもらうことで、自分がやっている講義の良い点・悪い点(改善すべき点)・システムそのものを変えない限りは解決しようがない点などが見えてきました。最終講義時の「評価」に解答してくれた学生は45名でした。
 受講登録者数73名の内試験受験者数は53名で、その中で試験によって50点以上の得点を得た37名 に単位を認定しました。試験の最高得点は91点(100点満点)、最低得点は14点、平均得点60点でした。


この講義全体としての評価
この講義の構成は体系的で、把握しやすくまとまっていたか。1まとまっていた26人
2どちらかというとまとまっていた19人
3どちらかというとまとまっていなかった0人
4まとまっていなかった0人

この授業はあなたにとって分かりやすかったか。1分かりやすかった23人
2どちらかというと分かりやすかった20人
3どちらかというと分かりにくかった 2人
4分かりにくかった0人

この授業のレベルはあなたにとって適切であったか1適切であった23人
2どちらかというとレベルが高すぎた10人
3どちらかというとレベルが低すぎた9人
4レベルが高すぎた2人
5レベルが低すぎた 1人

指定の教科書はこの授業に適切であったか1適切であった21人
2どちらかというと適切であった14人
3どちらかというと適切ではなかった7人
4適切ではなかった3人

この授業の目的・目標とするところを理解できたか1理解できた16人
2どちらかというと理解できた18人
3どちらかというと理解できなかった10人
4理解できなかった1人

この授業で新しい知識・考え方が修得できたか1修得できた17人
2どちらかというと修得できた21人
3どちらかというと修得できなかった7人
4修得できなかった0人

この授業はあなたの興味をひいたか1興味をひいた15人
2どちらかというと興味をひいた17人
3どちらかというと興味をひかなかった10人
4興味をひかなかった3人

この授業は総合的に見て高く評価できるか1高く評価できる11人
2どちらかというと高く評価できる30人
3どちらかというと高く評価できない4人
4高く評価できない0人


あなた自身についての質問事項
この講義への出席回数は?1全回出席12人
2一回欠席15人
3二回欠席10人
4三回欠席6人
5四回以上欠席2人

欠席後の対応(一回以上欠席の人が解答して下さい)1内容を友人に聞いた7人
2ノートを借りた26人
3教員に聞いた0人
4何もしなかった2人

出席時に内容を理解できなかった場合どうしたか 1友人に聞いた22人
2図書館などを使って自分で調べた0人
3教員に聞いた0人
4何もしなかった23人

自習をしたか 1シラバスにある(図書館に蔵書の)指定図書を読んだ0人
2関連する図書・資料を自分で探して読んだ1人
3ノートを整理して理解につとめた15人
4その他(教科書を読む等)3人
5全く何も自習していない27人

あなたは高校で化学を学習していますか? 1している43人
2全くしていない2人


教員の講義の進め方についての評価
教員の話し方(声の大きさ・言葉の明瞭さ)は適切だったか1適切だった31人
2どちらかというと適切だった11人
3どちらかというと適切ではない*3人
4適切ではない0人
*早口で聞き取りにくい、単調、その他

黒板の使い方は適切だったか 1適切だった30人
2どちらかというと適切だった12人
3どちらかというと適切ではない*3人
4適切ではない0人
*書いてすぐ消すことがたまにあった、黒板の右ばかり使う、字が小さいことがあった

OHPの使い方は適切だったか 1適切だった21人
2どちらかというと適切だった18人
3どちらかというと適切ではない*4人
4適切ではない**2人
*字が小さい、見づらい、役に立ってない、その他
**部屋が明るすぎる

演示実験の行い方は適切だったか 1適切だった*18人
2どちらかというと適切だった18人
3どちらかというと適切ではない**8人
4適切ではない***2人
*楽しかった
**,***後ろの方に座っていると見えない

講義の進行スピードは適切だったか 1適切だった31人
2どちらかというと速すぎた8人
3どちらかというと遅すぎた5人
4速すぎた1人
5遅すぎた0人

学生の理解度を確認しながらこの講義は進められたか 1その通りだった5人
2どちらかというとその通りだった22人
3どちらかというとその通りではなかった15人
4その通りではなかった3人

講義に教員の熱意が感じられたか 1感じられた*36人
2どちらかというと感じられた9人
3どちらかというと感じられなかった0人
4感じられなかった0人
*すごく楽しそうだった。

教室の状態(私語など)・学生人数は適切だったか 1適切だった30人
2どちらかというと適切だった11人
3どちらかというと適切ではない*3人
4適切ではない**1人
*私語をしている人がいた。人数のわりに教室が広すぎる
**私語。最初は結構良かったのですが、こまかい私語がうるさく先生が注意してもやまず、本当にはりたおしたい気分です。


その他、自由に意見を書いて下さい(この授業の良い点・悪い点(改善すべき点))

・全体的に楽しかったです。高校の授業の延長っぽいという人もいましたが、反対に私には楽しい授業でした。(芸術文化・美術・4年)

・普段の生活に密着した内容だったのでおもしろかった。(芸術文化・美術・2年)

・実験が多く、おもしろかった。先生の熱意が強く感じられ、よい授業だったと思う。(中学校・保健体育・1年)

・板書がとても見やすくて、ノートがスムーズに書けた。(中学校・保健体育・1年)

・OHPを使ったり、実際に実験をしていただいたので、とてもわかりやすかったです。また、黒板もくわしくかかれてあったので、あとで見直しするのにとても助かりました。(中学校・保健体育・1年)

・この講義をうけて、化学の新しい一面を知ることができたので、すごくよかったと思います。(中学校・保健体育・1年)

・高校の時のようなつめこみ授業ではなく、より生活に密着したものであり、よい講義だったと考えます。自習をあまりしなかったのは、私がなまけていたからです。(中学校・保健体育・1年)

・ぼくは高校で化学をとっていたのですんなりと理解できましたが、とっていなかった人には少しわかりにくいのではという場面が何度かあったと思います。ぼく自身は高校よりも、より身近なことがとりあげられていて興味深い授業でした。(中学校・保健体育・1年)

・良い点:わかりやすい。 悪い点:一人芝居(中学校・保健体育・1年)

・講義内容はよかったが期間が短かいため消化不良におわった。進め方などはよかったと思う。(中学校・保健体育・1年)

・やる内容が化学をとっていないと全然わかんないです。(中学校・保健体育・1年)

・たまに板書に漢字を間違えて書いたり、日本語的におかしいところがあった以外は、わかりやすくてよかったと思う。(小学校・教育・1年)

・内容から考えるとしかたないのかもしれないが、高校の授業のようだった。(中学校・国語・2年)

・人数にしては教室が大きかったように思える。OHPを使っていたが、小さすぎてほとんど見えなかったです。(中学校・家政・1年)

・高校でやった化学は難しくてわかりにくかったけれど、今回のは、身近な内容で生活に密着しているような感じだったので、わかりやすかった。先生も真剣でエライと思った。いつまでもそのままの熱意をもってやってほしいものです。(中学校・家政・1年)

・90分間がとても長く感じられ、たいへんでした。私は化学が苦手なので少しむずかしかったです。(中学校・家政・1年)

・内容が高校の化学と同じ内容だったため、退屈だった。実験をはじめの方にもっととりこむと興味がわいたのではないだろうか。(中学校・家政・1年)

・教科書にのっていること以外の説明はよかったが、教科書にのっていないのが残念です。(中学校・家政・1年)

・実験を前でしていてもよくみえなかった。(中学校・家政・1年)

・授業をギリギリまでやるのはよくない。最後に時間がないときは問題はやらない方がいい。(中学校・家政・1年)

・授業はよかったと思う。ただ個人的に化学の実験が好きなので、自分の手でやってみたかった。教養で、専門ではないので、そんなにたくさんはできないと思うけど、少しやりたかった。(小学校・家政・1年)

・教科書が高すぎる。しかもほとんど使っていない。(養護教諭・2年)

・改善すべき点はOHPが見づらかったことぐらいで、他はとてもよかったと思います。(養護教諭・2年)

・先生はとても学生に勉強を教えようという感じが伝わってきて良かったですが、内容がもう少し難しくて、魅力あるものでも良かったと思います。ちょっと飽きるなという時もありました。本当に熱意は最高でした!!(養護教諭・2年)

・一般教養としてとった授業は、他の科目は内容がばくぜんとしていてつかめないものが多いのですが、この講義は高校で化学をとっていたせいもあってなつかしくてたのしかったです。(養護教諭・2年)

・高校の時にやった化学より生活に密着していて、大変興味を引いた。このまま、あまり高度な知識を詰め込むだけの講義はしないでほしい。(中学校・産業技術・1年)

・高校の化学とは違う面でいろいろ勉強になった。ためになったのでよかったと思う。(中学校・産業技術・1年)

・授業の良い点:講義のその都度、確認テストを行うこと。 悪い点:前の方でないと実験が見ずらいこと。 (中学校・産業技術・1年)

・私語をしている人がいた。僕は話をしないで授業に出ていたが、そういう人はよくないと思う。もっときびしく注意した方がいいのではないでしょうか。授業内容は多少むずかしいところもありましたが、わかりやすくてよかったとおもいます。(中学校・自然科学・1年)

・かなり休んでしまいましたが、いい講義でした。OHPが多用されてわかりやすかったです。しかし、化学を高校で学んでいたので、新たな知識というのはあまりありませんでした。(小学校・自然科学・1年)

・例えば、今回は、そんなに多くの学生がいたわけではないので、実験のときに一声前で見て下さいと言ってくれると良かったかと思いました。(中学校・自然科学・1年)

・一講目の授業ということで眠いことが多かった。でも、授業はとても丁寧ですごくわかりやすかったです。僕は化学科なのでこれからもお世話になりますのでよろしくお願いします。(中学校・自然科学・1年)

・先生はジョークはお得意ですか。もし講義中のあい間に小話などがあれば面白かったなと思います。というのは、こういう頭を使う講義には何かと休みが必要になってくると思うのです(脳が)。その時、ジョーク・・・・とはいいませんが、時事関係の話など、私的な内容も含めて、みんなに話していたら、熱意というか先生の性格というのがある程度理解でき、親しみやすかったかもしれません。(国際理解・異文化コミュニケーション・2年)

担当教官による自己評価

 教養科目「化学の基礎」を担当して2年目になりました。昨年は、授業評価や単位認定結果から判断して、「難しくて理解できない」とするものが1/3ほどいましたので、今年は、昨年よりは項目を減らしてその分できるだけ詳しく説明しました。扱った事項は、ほぼ高等学校で扱われている 対象ですが、高等学校で化学を学んでいて比較的成績の良い学生といえども単に内容を「暗記」しているだけで、本質を(自分の身の回りにある現象と関係づけて)「理解」している学生は案外少ない事が私の経験上感じていることでしたので、あえて高等学校化学と重複した対象にしました(ただし、扱う対象がほぼ同じと言うだけであって、高等学校化学よりはより深く掘り下げた内容にしたつもりです)。また、この講義のレベルは、「高等学校で化学を学んでいる非理系の学生」がついてくることが可能なレベルに設定しました。上の評価結果を見ると、約50%の学生はこの授業のレベルは自分にとって適切だったと答えていますので、授業のレベル設定としては悪くなかったと考えています。ただし、27%のものは「どちらかというとレベルが高すぎた」あるいは「レベルが高すぎた」と答え、22%のものは「どちらかというとレベルが低すぎた」あるいは「レベルが低すぎた」と答えています。このように感じている学生に対してどのように答えていくかは今後の課題ですが、本学には理系・文系・芸体系という全く異なった学問を専攻する学生がいることを考えると、受講者全員が満足するようなレベルの授業をやることは至難の業と思われます。したがって、次回からは、シラバスおよび初回授業のオリエンテーション時に、この授業はどのような学生を対象として考えているかをはっきり説明し、それを納得してもらった上で受講してもらう必要があると考えます。この点については、今回は説明不足であったと反省しています。それとレベルが低すぎたと答えている学生をもう少し満足させるために、次回はもう少しだけレベルを上げてやるつもりです(でも、毎年同じレベルの学生がいるとも限らないのでよみが難しい)。

 先程述べたように、期末試験受験者53名中37名(70%)に単位が認定されましたが、予め調査しておいた「化学の好き嫌い」「大学入試センター試験における化学選択の有無」と「単位認定結果」との間には関係が見られました。高等学校で化学を履修したかどうかの調査では、単位認定者・否認定者ともに、認定者は100%、否認定者は93%が高等学校で化学を履修していました。ところが、大学入試センター試験で化学を選択したかどうか(センター試験を受けていないものは否選択とする)を調べたところ、認定者は74%が選択していたのに対し、否認定者は21%しか選択していませんでした。また、「化学が好きかどうか」を調べたところ、認定者は79%が「好き」と答えたのに対し、否認定者は21%しか「好き」と答えておりませんでした。来年度は、この事実を受講希望者に明らかにする必要があると考えています。

 授業評価の結果を見ると、「OHPが後ろの方では見にくい」「演示実験が後ろの方では見にくい」という指摘がありますが、これに対しては私には反論があります。今回の授業では教室の割には受講者が少なかったので、前の方の席はかなり空いていました。それなのになぜそういう人たちは前の方で聞こうとしないのでしょうか。「前の方で見て下さい」と私がいちいち指示を出さなければならないのでしょうか?教室が満席ならこういう意見がでるのも分かりますが、なぜ自分で動こうとしないのか・・・・?しかしながら教室が広すぎるのは確かですから、来年は、受講者数によっては教室を変えてもらうことも検討します。

 授業中の私語についての指摘もいくつかあります。専門の授業では、まずこういう問題は起きないのですが、1クラス50名を超える教養科目の授業ではそれほど関心がない学生も受けていますので、どうしても私語は問題になります。私も初めの方は、一回一回厳しく注意しており、そのときはかなり静かだったのですが、いちいち小学生や中学生相手のように注意するのもだんだん嫌になってきて、最後の方はあまり注意しなくなりました。大声でガヤガヤと言うわけではないのですが、特定のところからヒソヒソ話が聞こえてきて、話している学生たちにしてみれば小声なので迷惑をかけていないつもりなのかもしれませんが、他の受講者にとっては迷惑だったようです。(私も学生のとき、講義中に私語をしている人にはかなり腹が立ちました。)来年度は、一度注意してもやめない学生は退室させ受講登録を抹消することにします。

 最後に、「この授業は総合的に見て高く評価できるか」という質問に91%の人が「高く評価できる」「どちらかというと高く評価できる」と答えてくれているので、私の授業に対して学生の皆さんからは一応合格点は頂いたかなと自分では思っています。


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