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物理化学研究室近況報告

田口 哲


1998.12.22

 卒論中間発表会が終わりました。4年目の皆さんご苦労様でした。物理化学研究室の学生の皆さんは、研究結果を発表することの難しさを身をもって体験できたのではないでしょうか。私としては、ほぼ練習通りうまくできたのではないかと思います。ただ、もう少し余裕を持って発表準備ができたらなーと思いますが、さぼっていたわけでもないでのこんなものなのでしょう。卒論追い込み、頑張りましょう。

 最近、劇毒物の管理が非常に厳しくなってきました。最近では下火になりましたが、全国各地の大学・研究施設で劇毒物混入事件が起きているためです。私の研究室でも、文部省の通達を受けて、あらためて管理強化を致しました。色々と報道されましたが、犯人は明らかになったのでしょうか?全く報道されていませんよね?内部犯行だったのか、それとも外部から・・・・・とにかく、そういう迷惑きわまりない行為は止めていただきたいものです。

 話は変わって、皆さん「化学教育ジャーナル」というWeb上のon-line Journalをご存じですか。日本の化学教育に関する雑誌としては日本化学会の「化学と教育」がありますが、上記の「化学教育ジャーナル」は化学ソフトウエア学会の「化学の学校」が発行している電子雑誌です。だれでも無料でアクセスする事ができます。この雑誌の第2巻第2号に面白い記事が載っていました。それは、アメリカの大学院に留学している鎌谷 朝之さん(バークレイ大院生)という方が、ご自身のアメリカでのティーチングアシスタントの経験からアメリカの大学における化学教育について書かれた記事です。一般に、大学教育に関しては、日本よりもアメリカの方が優れていると思われていますが、鎌田さんは、「もちろんアメリカの方が良いところもあるが、(日本人から見て)問題点もある」ことをご自身の体験に基づき指摘しておられます。一部引用すると、

 そういう人たちに対する先生方の対応も、日本とは違う。確かに、質問すれば教えてくれるが、物わかりの悪い人に対しては「あなたはこの教科に向いていないのでは」などといいつつ、暗に受講取り消しを勧めたりする。悪気があっての言葉ではないかも知れないが、一生懸命がんばっている学生に対して、あまりにも配慮に欠けるのではないかと私は思う。アメリカの高校以上の教育はあくまでクラスの中で一番頭のいい学生をターゲットに絞ったようなところがあり、事実そういう学生が、大学を卒業するまでダントツのトップを走り続けることになるわけだが、私のようなどちらかといえば努力型の学生が生き残っていくのは、極めて難しいといえるだろう。
 確かに、これはマスコミ等から知らされている「アメリカ像」と一致しています。良いものはもっと良くなり、悪いものはもっと悪くなる。日本の場合は、だれでも努力すればそこそこまで良くなる。この日本型気質が、日本が経済発展した駆動力の一つだということは良く言われてきたことです。ところが、日本の経済発展にも陰りが見え、日本は徐々に「アメリカ的」になろうとしています(というか、マスコミが煽っているだけのような気がするが)。マスコミは、口を揃えて「日本はかわらなきゃダメだ・日本はかわらなきゃダメだ」といいますが、それは「アメリカ的にならなきゃダメだ」というのと同義に聞こえます。大学教育で言えば、飛び級制度の導入などはまさにこのアメリカ式そのものでしょう。上の引用を読むと、何でもかんでもアメリカ的であれば良いと言うわけではないという気がしてきます。私は、努力しない人間は問題外だと思いますが、努力型の人間であっても蹴落としていくような教育機関は「教育機関」じゃないような気がしますが・・・甘いんでしょうかねー。
 

1998.11.7

 11月になり教員採用試験の結果が出ました。今年の採用率もかなり厳しいようです。年々、就職率が低下しており、何とかしなければならない状況になってきました。大学は就職予備校では無いと思いますが、このままでは本学の存在意義を問われかねない状況に入っています。一方、今のような教員採用試験で本当に教員として必要な資質を見抜けるのか・・・・?仮に、大学が学問を放棄して教員採用試験対策のみに全勢力を注いだとして、それで合格率が高まった場合、学生や国民は本学を評価するのか???  いずれにしても、学生は(および我々教員も)もっと危機感をもたねばならないのは間違いありません。来年度受験する学生は“今から”必死になって勉強しましょう(こんなこと勉強して意味あるのか?と疑問を持つかもしれませんが、現実問題として高得点を取らないことには教員になれない)!
 

1998.10.9

 10月になり後期の授業も始まりました。夏休みは2カ月あったわけですが、追試験、教育実習校への挨拶・授業参観、学会出席、単結晶作成、会議、論文書き等であっと言う間に終わってしまいました。これから、やっと自分がしようと思っていた仕事ができる状態まできたのですが・・・・・

 9月の末に高校2・3年生を対象にした大学説明会が開催され、私が化学分野の紹介を15分位しました(ここにその時使用したOHPがあります)。皆さんおとなしく、質問等を促してもほとんど応答がありませんでしたが、まあ大学生でも講義中に質問等はほとんどしないわけですから、そんなものなのでしょう(寂しいですが・・・)。

 うちの研究室の4年目・院生も、院試・教採や講義が終わりやっと卒論・修論実験に集中できる状態になり、まずは12月下旬の中間発表に向けて頑張ることでしょう(10月になって、やっとまともに実験ができる)。1〜3年目学生から見ると、4年生は講義もほとんどなく暇そうに思えるかも知れませんが、就職・進学準備や英語文献講読(物理化学研究室の場合)等で、前期はかなり忙しいのです。私自身は、教員養成学部は6年制に移行しなければ(小・中・高等学校では大好きな)「ゆとりある教育」はできないのではないかと考えています。

 研究で使う金単結晶がうまくできない状態が続いています。色々、試行錯誤しているのですが、研磨途中で気泡が出たり研磨終了後の超音波洗浄時に研磨面がザラザラになってしまったり・・・・・。試行錯誤の末、どうやら某会社から購入した金線の品質に問題がありそうで(同じ純度のものでいぜん作った際はうまくいったのですが)、最近購入したべつのロットNoの金線で現在試みているところです。


1998.9.1

 一ヶ月半ぶりの更新です。夏休み期間も折り返し地点にきました。前回更新時から現在までやったことを振り返ってみます。

物理化学(一)の試験・追試験の実施と成績評価
 今年はかなり内容を噛み砕き(時には中学校・高校レベルの話にまで遡って)丁寧に講義をした甲斐もあって(?)、去年よりは単位認定率は高かく一安心しています(昨年に引き続き不合格となった学生もいましたが・・・)。しかし、困ったことに、こんなスピードでやっていては全然予定範囲をこなせないんですよね。物理化学(一)ではエントロピーについてかじった程度で終わってしまいましたが、後期は少しスピードを上げて予定の範囲を何とかこなしたいと考えています。

化学の基礎(教養科目)の試験の実施と成績評価
 試験受講者の2/3に単位を認定しました(試験の平均得点は60点)。今回の授業についての学生の評価もWeb上に公開していますのでご覧下さい。昨年は「講義内容が難しすぎる」という声も聞こえたので、今回はやさしくしたのですが、「もう少し難しくても良い」という声が聞かれました(難しいという学生も相変わらずいましたが)。教養科目はレベル設定が難しい。

化学実験(一)・化学実験(三)の成績評価
 まじめに実験して、レポートも丁寧に書かれている(もちろん内容として)ものには良い成績をつけましたが、明らかに友人のレポートを写したようなもの・考察がほとんどされていないものにはあまり良い成績は出していません。もう少し「実験結果に基づき自分の頭で考え、自分の言葉で書かれた報告」になると良いのですが。

釧路での日本化学会北海道支部夏季研究発表会への参加と発表
 私と竹岡君が参加しました(7/23〜7/25)。札幌から私の車で行きましたが、さすがに遠くて疲れました。釧路はずっと霧でした。発表は竹岡君が卒論の内容について話しました。なかなか堂々と上手にやっていました。彼はOHPシートの図を作るのが非常に上手なので感心しています。

PowerMacintosh G3/DT233のセットアップと実験室への設置
 7月の半ばには既に納品されていたコンピュータですが、8月になってやっと立ちあげる時間ができました。メモリーは160MB積んでいます。学内LANにもつなぎましたので、ファイルのやり取りも簡単にできます。話は別ですが、8/29に(発売初日)iMacをT-Zoneに見に行きました。あんなに行列ができているとは・・・しかも飛ぶように売れていました。私も自宅にはコンピュータを置いていないので、買っちゃおうかとおもいましたが、はたして家でパソコンなんてやる時間があるのか(帰って食事して寝るだけ・・・)と考えた結果やめておきました。

化学実験(三)〜物理化学実験〜テキストのHTML化
 来年度からは教育にもっとコンピューターネットワークを活用しようと思い、まずは実験テキストをHTML文に変換し始めました。Adobe Acrobat3.0も購入済みですのでPDFファイル化も行いたいとおもっています。

Au(111)単結晶電極の作成
 これが8月前半から後半にかけてやっていた大部分の仕事です。結晶面決定・研磨は北大でなければできませんので、教育大-北大間を一日2往復してガソリン給油回数がいつもの二倍はあった8月でした。前期に竹岡君・今渡君がうまくできていなかったので私自身でも作っています。現在はアニールして測定する段階です。

といった感じで8月は終わりました。4年生の笠野さんは教員採用試験も終わり卒業研究を本格的に行っています。4年生の今渡君坂本君は、今頃、北大の大学院入試を受けている頃でしょう。それが終われば1週間後には教育大の院試もあります。院試が終われば、ちょっと一息入れて、卒業研究に集中する事でしょう。M1の竹岡君は、夜勤で単結晶作りをやっています。これから来年の4月くらいまでしか実験に集中できる時がありませんので頑張って下さい(M2になれば教採で時間がとられる)。私 田口は9月は学会出張やら教育実習研究授業参観やらで、研究室を空けることも多くなりますが、皆さん頑張りましょう。4年生は12月中旬には卒論中間発表があります。

1998.7.13

 近況報告は、1カ月毎に更新するつもりでしたが、結局今回は約二ヶ月もかかってしまいました。6月は講義・実験が週7コマという超多忙状態で、とても更新している時間などありませんでした。そうこうしているうちに、もぅ前期もあと1〜2回講義をしたら終わりです。思ったほど講義は進んでないなぁ〜。

 6月の1カ月間は、化学実験(一)で1〜2年目の理科の学生と接してきましたが、高等学校までの理科(化学)教育と、私自身が大学で学生にどういった指導・教育を進めていく必要があるかについて、色々と考えさせられた1カ月間でした。それは、次のようなことを実験中やってみたりレポートに書いたりする(複数の)学生に遭遇したからです。

「NaCl(塩化ナトリウム:食塩)のNa-Cl間の結合は共有結合で、食塩が水に溶けるのは極性があるから」とレポートの考察に書く。(この事をうちの研究室の4年生に話した。この4年生が、1〜2年目の理科の学生に食塩はイオン結合性物質だ!と言ったところ、「へー、そうなんだ。初めて聞いた」と言う答えが返ってきたらしい。)食塩は水中でイオンに解離していることを知らないのだろうか・・・・中学校で食塩水に電気を流す実験をしたはず・・・・?
「1molとは何か説明してごらん」と尋ねても分かっていない学生がいる。
理想気体に関するシャルルの法則(一定圧力下で気体の温度と体積は比例関係にある)を検証する実験で、「三角フラスコに乾燥剤(シリカゲル)を入れた後ゴム栓をして、フラスコ内部の空気を乾燥せよ」という指示を出した。この実験をやったグループ全てが、この三角フラスコを水で洗い、フラスコ内部を水でビシャビシャに濡らした状態で乾燥剤を入れて栓をして、平然としていた。これは、私にとってかなりショックな出来事だった。
これまたシャルルの法則を検証する実験で、「栓をした三角フラスコを40oCに温度設定した恒温槽に浸けて、フラスコ内部の空気を40oCにせよ」という指示を出した。そうすると、フラスコの底面の部分だけ水につけてなぜ40oCまで温度が上がらないのか不思議そうにしていた。フラスコの大部分が室温にさらされているのだから、恒温槽から吸収した熱はどんどん室内に逃げていく。熱エネルギーが高温部分から低温部分に移動することを「経験」として分かっていない?
Cuの上にNiメッキをする実験で、反応式を書かせたところ、Ni2++e2-→Niと書く。また、実際に自分で実験をやっているにも関わらず、Niイオンが電子を受け取ってNi原子としてCu上に析出するというイメージを持とうとしない(持っていない)ものがいる。
実験結果を見ると、明らかに実験操作上のどこかにミスがあって、検証しようとしている法則はそのデータからは絶対導き出されないような場合でも、「・・・よって、◯◯の法則は証明された」などと平気で書く。いったい何に「依って」いるのだろうか?自分の実験のどこに問題があったか、自分の実験の過程を再検討しようとはしない。
アボガドロ定数(概数)を出す実験でステアリン酸単分子膜の面積を次のように測定した。あらかじめ5cmx5cmの正方形に切り取った紙の質量を測定しておき、同じ種類の別の紙にこの単分子膜の形を写し取らせてからこの部分を切り出し、その質量も測定した。この質量と先ほどの正方形の紙の質量とを比べて、ステアリン酸単分子膜の面積を出させた。この実験のレポートで、「正方形の質量は◯◯gだった」と書く。(正方形に(かたちに)質量があるなんて・・・)
家庭用カセットコンロのガスボンベ内の物質の分子量を測定し、燃焼物質はブタンであることを明らかにする実験で 、「ボンベ内でブタンは液体なのに、ボンベの外に出すとなぜ気体になるのか?」という課題を出した(ブタンは水上置換でメスシリンダー内に集めた)。この課題に、「圧力が無くなるから」と答える(あらためて言うまでもなく、圧力は、ボンベ内の高圧の状態から大気圧(約1atm)まで低下しただけで、無くなった(P=0atm)わけではない)。
 もちろん、全員が上のようなことをやるわけではないのですが、大学生、しかも将来小・中・高校教員として子どもたちに理科を教える可能性が高い複数の学生が、上にあげたような自然に対する認識しか持っていないとすれば、これからの理科教育にとって非常に危険な気がします。よく言われているように、高校までの理科教育が、経験・体験を伴わない“机上の空論”“暗記教科”になってしまっているという現実をあらためて実感いたしました(これを高校までの理科教育のせいだけにはできないでしょう。学校教育の中で実験などやっている時間がない(入試対策)という現実や、生活の中のあらゆる場面に科学技術の成果による自動化が入り込み、ますます自然から隔離されつつある現実や、自動化=出来るだけ人間は何もしないでもやってくれる=頭を使わなくなるという現実が背景にはある。)。しかし、嘆いていただけでは何の解決にもなりません。 理科嫌いを拡大再生産させないために、この様な学生の状態に目をつぶらず我々は丁寧に指導していかねばならない事と(大学は自分で勉強する所であるからそこまでやる必要はないと言われる方もいるかも知れませんが、現実問題として、そんな事を言っていては全然問題解決になりません)、学生もこのような危険な状態を自分でちゃんと認識し勉強していくことが求められているのではないでしょうか(大学生になってからではもう遅いというあきらめも半ばあるかもしれませんが、やらんよりは“まし”でしょう) 。

ちなみに、私は、学生のレポートには全て目を通し、上のような事を書く学生のレポートは赤ペンで適切な表現に直し、さらに、「何故それではいけないのか」についての詳細なコメントを付けた上で、提出後1〜2週間以内には学生に返却するようにしている。これは、かなり時間がかかり大変な作業だが、少なくともこのくらいはしなければ学生の力量は伸びないと思い実践している。ただ、学生がどれだけこの指導を自分の教員としての力量形成に生かしているかは不明ではあるが・・・・

 物理化学(一)の方は、反応熱を終わってカルノーサイクルからエントロピーへと話を展開していきますが、皆さん、ちゃんと勉強していますか?試験前に一夜漬けしても、たぶん試験は通らないので、毎回出している演習問題や教科書の問題・例題、講義ノートを復習して下さい。暗記ではなく、「なぜそうなるのか。そう言えるのか。」を自分のものにする事です。

 さて、研究室の様子ですが、MC1の竹岡君と4年目今渡君は金単結晶作成を進めてきましたが、研磨が終わってみると気泡が入ってしまうという問題に遭遇しています。バーナーの酸素量が多すぎるのか、バーナーから不純物が飛んできて結晶に取り込まれているのか・・・。とりあえず、バーナーはかなり古いので、新しいものに交換して作成することにしました。今渡君は、相変わらず怪我が多いので気を付けましょう(特にスポーツ時)。竹岡君は7月末の釧路の学会(日本化学会支部会)で発表します。4年目笠野さん、教採一次試験ご苦労様でした。彼女は、これからは研究に専念できそうです。ただ、教採二次試験も手を抜かず頑張って下さい。4年目坂本君は、BZ反応の実験の方が安定して測定できるようになったのでひと安心です。これからは、この分野の勉強の方と実験の方を両立して進めていく予定です。坂本君・今渡君は大学院志望ですので、これから9月までは大変ですが頑張ってください。

   この間、昨年度卒業の仲野さんが研究室においしいお菓子・アイスをもって訪ねてきました。職場の苦労話やいろんな世間話をしていきました。元気そうでした。うちの今渡君と坂本君は、彼女に(無理矢理?)晩飯をごちそうになったみたいです。他の化学科卒の人達は元気なのでしょうか?このページ見ている人はいるかな?


1998.5.16

 新学期が始まり1カ月ほど経ちました。新入生はそろそろ大学にもなれた頃でしょうか。講義・実験・ゼミも4〜5回行われて、学生の皆さんは各自のペースをつかみましたか?物理化学(一)の方は、物理量=数値x単位・有効数字・微分積分・状態量・温度・圧力といった物理化学を学ぶ上で我々が身につけていなければならない基本についてほぼ学び終えました。今後は、気体分子運動論をやった後、遂に“熱力学”に入っていきます。これからが正念場です。初めは、「何でこれが化学と関係あるの?」と思うかもしれませんが、これから学んでいく内容を理解すれば、講義が終わる頃には、“化学反応(および状態変化)が自発的に進行する方向はなぜ決まっているのか”という事の本質的説明ができる様になりますから期待していて下さい。ただし、何度も言っているように、講義の聞きっぱなしでは絶対に理解できるようにはなりません。1週間に2時間以上の復習を必ずして、講義で扱った内容のイメージが自分の頭にわくようになるまで徹底的に思考実験および問題演習をして下さい。さもなければ単位修得は困難です。化学実験(三)は、レポート・実験ともにかなり苦労しているようです。レポートや他の講義の勉強で忙しいかもしれませんが、“てきぱきと”実験が進められるように十分な予習を必ずしておいて下さい。物理化学ゼミナールは、まだ、昨年の物理化学(二)でやり残した電気化学のところをやっています。来月半ばにはやり残しの部分を終わらせて、量子化学領域に入っていくつもりです。教養科目化学の基礎は、化学結合の話を終えて、我々にとって最も身近な「空気」についての話に入っています。化学の基礎では、時間が許す限り、「演示実験」を入れてわかりやすく進めていこうと思います(いろんな仕事を一人で幾つもやらねばならないので、準備の時間が無くかなりきついのですが、できる範囲で頑張ってみます)。来週から化学実験(一)も始まります。今年のテーマは、「ボイル-シャルルの法則の実験的検証」「物質の溶解」「電解メッキと無電解メッキ」「気体の分子量決定・アボガドロ定数の概数の実験的算出」という4テーマを用意しました。学校教員になってからも役立ちそうな内容にしたつもりです。化学特講(三)は電気化学に関する英語文献を輪読していますが、研究室4年目の皆さんは英語を日本語に訳することで精いっぱいの様で、内容を理解する余裕が無いと訴えています。正確な理解が無いと正確な解釈もできませんので、表面的な日本語訳をやっているのではなく、内容理解を目指していることを常に心にとめて進めていきましょう。

 さて、研究室の様子です。院生・4年目ともみなさん頑張っています。MC1の竹岡君は4年目今渡君の結晶作成が完成したので、これから結晶作成にとりかかるところです。彼には、4年目今渡君の指導を相当手伝っていただいていて、非常に助かっています。夏の学会発表の原稿締切が来月上旬にありますので、相変わらず忙しい毎日が続きます(でも徹夜は体に良くないし非効率でもありますので、出来るだけ規則正しい生活をしましょう)。4年目今渡君は、最近体調を崩してしまい心配しましたが、復活しつつあるようです。本人曰く「いっぱい・いっぱい」だそうです(最近、私も彼の口癖「いっぱい・いっぱい」が移ってきました:使用例;講義・実験の準備や会議で「いっぱい・いっぱい」だ。何でこの大学はこんなに忙しいんだ。など)。彼の単結晶の方は完成したので、これから測定開始といった状況です。4年目笠野さんは、副免実習のために付属中学校に5月いっぱい出かけています。彼女は丁度卒論実験にとりかかったところでしたが、しばらくお休みです。教採も近いので気が抜けない状態だと思います。4年目坂本君は、ホームページ作成もひと段落したようです。私との卒論ゼミも何回か行い、実験に向けて準備中です。化学振動にも興味がでてきたようで嬉しく思っています。

 先々週の金曜日、今年の3月に本研究室を卒業した仲野さんが登場しました。私は会議があって全然話せなかったのですが、元気そうでした。


1998.4.15

 新学期が始まり授業も開始しました。化学科には、男性5名女性2名、計7名の新入生が配属されました。今年度の物理化学研究室は、院生(M1)1名と学部生4年目3名、および教官1名の計5名がメンバーです。はやいもので、この研究室ができてから3年目になりました。今年度は今までで最も多いメンバー数になり、研究室(実験室)もかなり手狭になってきました。M1の竹岡君は、大学院の授業が詰まっていて結構忙しそうです。春休みの間、彼は、このサーバーの中にある自分のページを充実させたようです(学生から見た化学科の紹介などがあります)。研究の方は、4年目今渡君と一緒に単結晶作りの最中です。今渡君は、研究室のゼミでやる英語文献と格闘しています(英単語に押しつぶされる夢を見るそうです)。きっと今の苦労が将来のためになるでしょう。4年目笠野さんは、難関の教員採用試験(小学校)突破を目指しての勉強とやはりゼミの英語文献との戦いです。早野先生(有機化学)が教採向けのゼミをやっているので、彼女はそちらの方も受講して教採に備えるようです。4年目坂本君はすっかりホームページ作りにはまっています。彼の力作を見てあげてください。その中で坂本君曰く「教師に取って必要なのは情熱と優しさ」とのことですが、“基礎学力”というのも忘れずにね。さて私田口は、新学期が始まり、授業や学生実験の準備・会議で大忙しです(暇になったことなんてないか・・・・)。前期の授業・学生実験は学部・大学院合わせて六つもあります。おまけに、今年は学内の委員会も忙しそうなので困っています(教官はみんな困っているか・・・)。ほとんど私の処理能力を超えている状態です。とほほほ・・・・・

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